極楽鳥花を初めて見た。この4月のことだ。
1月にステートメントも出したが、期間限定(とはいえ、数年の予定)で南カリフォルニア、ザックリ言うとLAのずっと南の郊外、に住んでいる。
日本人/日系人に限らずアジア系のきわめて多い地域で、お店の人なんかも外国人に慣れているので、生活の不便は案外ない。
そろそろこちらの免許を取らなくてはとか、英語を習いにESLに通わなくてはとか、そういうことを言い続けている。
からっとした気候、広々した土地。植物の色は、日本の湿潤でみずみずしい緑よりはいささかくすんでいる気がする。
それでも内陸で砂漠気候の隣州なんかと比べると緑は豊かだそうだ。
乾燥と砂ぼこりが最初はとてもつらかったが、ずいぶん慣れて、カラーレンズの眼鏡をかけて外出することにもためらいがなくなった。
日本よりも太陽が気温に与える影響がとてもわかりやすくて、陽が沈んだとたんに一段涼しくなる。
サマータイムの恩恵もあり日没は遅くて、夏至前後は20時過ぎまで明るい。
夕方にはもう外に出る気がしなくなるのだが、夜があんまり短いので驚く。
いろいろの違いに少しずつ慣れ始めて、でも当然まだまだよそ者で。
やらねばならないことは多いけれど、できることが思っているより少ない。
演劇と関係ないキャリアも絶やしたくなくて働きたい気持ちはあるが、以前人づてに聞いた話にけっこう傷ついていて、当分フルタイムでどこかの組織に所属するような働き方はするまい、と思う。
退職したというだけで、”面談”で、あることないこと言っていたことにされてしまうらしい。話した内容に対して面談者の想像力が豊かすぎたのか、何かの腹いせなのか知らないが、うんざりだな。
ものを書いたり、趣味と実益を兼ねるならたとえば動画を作ったりして遊んだりするのもいいだろうけど、まだなんだか食指が動かずにいる。
少し書いては消して、何を書けばいいのかずっと考えている。
働くにしても遊ぶにしてもこれまでと違うことをたくさん経験したい気持ちでいるけれど、まだなくしたものばかりがまぶしくて、さびしい。