漂流記 180125

なんで「漂流記」かって、
流されるままに流されて生きてきたような記憶ばかりあるから。
好きなことしてるように見えるだろうし、実際かなりの割合そうなのに、
四半世紀も生きた今でさえ、なにひとつ自分で選んだことなんてないみたいな気分だ。

大人になれないままいつの間にか会社員になっていたし、
大人になれないまま結婚するんだろうし、
なんなら、子どもを作るときでさえそうなのかもしれない。

たまたまシス・ヘテロの女に生まれたので、きっと不妊でなければ子どもはもつんだろう。
恋人が一人っ子で、彼のお母さんはうちの母よりすこし年上で。
タイムリミットが怖いから、衝動に任せて、でも消極的に産むんだろうな、と思う。
「産めばかわいいよ」、という言葉を、縋るように信じて。

ふくよかすぎるくらい肉がついていて、もろもろの周期も分かりやすく正確で、
少なくともホルモン系に関しては豊かなはずだから、授かるときはすぐなのかもしれない。
それが幸いなのか不幸なのかは分からない。

今作の登場人物には母と娘がいるんだけれど。
家族って言う単位をそんなに神聖だと思ってないっていうのもあってか、
彼女ら、よく言われる理想的な親子関係じゃない。
かといってむやみやたらに二人を蹂躙したいわけでもない。
愛がないなんてそんなはずはない。
こういう形をたまたま選ばざるを得なかったというだけの、そういう母娘だと思って書いていた。
少なくとも私は。

拙い筆で書いたそれを、どうやって伝えるんだろうな。
途方もなくて、今なおめまいがする。

そういう葛藤も含めて、面白いんだよなあ。ちくしょう、

予約
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前回も一緒してくれた沙穂ちゃんに、
「趣味嗜好の話をあまり聞いたことがない」って言われてハッとする。
SNSで垂れ流してるつもりになってちゃんと話したことってないのかもしれない。
思いつく限り列挙するのもいいのかもしれない、と思う。
今日はここよりうしろ、座組の人たちに自己紹介をするつもりで書いてみよう。
素顔になんてぜんぜん興味のない人は読まなくていいよ。

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漂流記 180124

稽古のない日は大抵残業をしている。

勤め先はとっても小さな会社で、
残業の夜は一人で残る方が好き。
普段流れてるちょっと古いJ-POPから解放されて、
自分のほんとに好きな曲だけを流しながら
やらなきゃいけないことのうち、できるだけ、好きなことだけをやる。

やりたいことって結構単純作業が多くて、
とりとめのないことに気をとられる。
緑青、って毒あるんだっけ、
とか、
ポロメリアってどんな花だっけ、
とか。
月の沈むのを「地球にコインを入れて明日を引くんだ」とか言ってたあいつは
今どうしてるんだろう。

そのうち意識がふっと空へ飛んでいく。
空を飛ぶってどんな気持ちだろうな、って思いながら脚本書いてたっけ。
急に上司の出張についていくことが決まって、12月には何年かぶりに国際線に乗った。
飛んでいるというのは落ち続けているということだな、といつも思う。
これでもかなり慣れたんだけど。飛行機。

そんなに寒くない日に、
指先がゆっくりと冷えていくのはわりあい好きで。
一人になった感じがするからだと思う。
今日みたいな寒波が来てるとそんな悠長な話じゃなくなるんだけど。

役者に、
相手にどういう気持ちで/ポーズで/位置で受け止めさせるのか、
考えながら芝居してもらうにはどうしたらいいのかな、と思ってる。

よい意味で裏切られてみたいと思ったときに、
わたしは、役者にとってやりづらい相手だったりするんだろうか。
怖いなあ。

やっぱり音に重心がある。
音をもっと選ばなきゃならない。

漂流記 180123

SNSではいつも語りすぎてしまう。
頭の中が多動なんて言い訳してみても、
まあ自己顕示欲とか、強いんだろう、
そのことを恥じる気持ちくらいはあれど、治るものならとっくに治しているわけで。
長文を書く方がむしろ、もう少し抑制が効くんじゃないかと思う。
から、しばらく、そうしようと思う。

いつもなら音楽から作品を書くことが多いのだけれど、
今回、モチーフにした曲、というのがないように思う。
ではなにをなぞって作品を書いたんだろう、と自分でも不思議なんだけど
それが分かったとして、そこにやたらめったら囚われるのもばからしいので、
答えは脚本家の水野じゃなく演出の水野に預けておこう、と思っている。

役者がとても意欲的に稽古場でのことを発信してくれる。
よしあしではなく、今回は、そういう人たちが集まってくれたのだな、と。
そういえば役者が、年下だけになって、
芝居を始めたのは幾つのときだっけな、と思い出しもする。
(前回は役者の半数が同い年だったのよ)

漂流している。
まだ、漂流している。