漂流記 180124

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稽古のない日は大抵残業をしている。

勤め先はとっても小さな会社で、
残業の夜は一人で残る方が好き。
普段流れてるちょっと古いJ-POPから解放されて、
自分のほんとに好きな曲だけを流しながら
やらなきゃいけないことのうち、できるだけ、好きなことだけをやる。

やりたいことって結構単純作業が多くて、
とりとめのないことに気をとられる。
緑青、って毒あるんだっけ、
とか、
ポロメリアってどんな花だっけ、
とか。
月の沈むのを「地球にコインを入れて明日を引くんだ」とか言ってたあいつは
今どうしてるんだろう。

そのうち意識がふっと空へ飛んでいく。
空を飛ぶってどんな気持ちだろうな、って思いながら脚本書いてたっけ。
急に上司の出張についていくことが決まって、12月には何年かぶりに国際線に乗った。
飛んでいるというのは落ち続けているということだな、といつも思う。
これでもかなり慣れたんだけど。飛行機。

そんなに寒くない日に、
指先がゆっくりと冷えていくのはわりあい好きで。
一人になった感じがするからだと思う。
今日みたいな寒波が来てるとそんな悠長な話じゃなくなるんだけど。

役者に、
相手にどういう気持ちで/ポーズで/位置で受け止めさせるのか、
考えながら芝居してもらうにはどうしたらいいのかな、と思ってる。

よい意味で裏切られてみたいと思ったときに、
わたしは、役者にとってやりづらい相手だったりするんだろうか。
怖いなあ。

やっぱり音に重心がある。
音をもっと選ばなきゃならない。

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