漂流記 180125

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なんで「漂流記」かって、
流されるままに流されて生きてきたような記憶ばかりあるから。
好きなことしてるように見えるだろうし、実際かなりの割合そうなのに、
四半世紀も生きた今でさえ、なにひとつ自分で選んだことなんてないみたいな気分だ。

大人になれないままいつの間にか会社員になっていたし、
大人になれないまま結婚するんだろうし、
なんなら、子どもを作るときでさえそうなのかもしれない。

たまたまシス・ヘテロの女に生まれたので、きっと不妊でなければ子どもはもつんだろう。
恋人が一人っ子で、彼のお母さんはうちの母よりすこし年上で。
タイムリミットが怖いから、衝動に任せて、でも消極的に産むんだろうな、と思う。
「産めばかわいいよ」、という言葉を、縋るように信じて。

ふくよかすぎるくらい肉がついていて、もろもろの周期も分かりやすく正確で、
少なくともホルモン系に関しては豊かなはずだから、授かるときはすぐなのかもしれない。
それが幸いなのか不幸なのかは分からない。

今作の登場人物には母と娘がいるんだけれど。
家族って言う単位をそんなに神聖だと思ってないっていうのもあってか、
彼女ら、よく言われる理想的な親子関係じゃない。
かといってむやみやたらに二人を蹂躙したいわけでもない。
愛がないなんてそんなはずはない。
こういう形をたまたま選ばざるを得なかったというだけの、そういう母娘だと思って書いていた。
少なくとも私は。

拙い筆で書いたそれを、どうやって伝えるんだろうな。
途方もなくて、今なおめまいがする。

そういう葛藤も含めて、面白いんだよなあ。ちくしょう、

予約
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***

前回も一緒してくれた沙穂ちゃんに、
「趣味嗜好の話をあまり聞いたことがない」って言われてハッとする。
SNSで垂れ流してるつもりになってちゃんと話したことってないのかもしれない。
思いつく限り列挙するのもいいのかもしれない、と思う。
今日はここよりうしろ、座組の人たちに自己紹介をするつもりで書いてみよう。
素顔になんてぜんぜん興味のない人は読まなくていいよ。

***

滋賀の、山のふもとで生まれて、しばらく琵琶湖に面してない町で育って、
中三になるタイミングで湖のそばに越してきた。
少し歩けば琵琶湖があるって言うのはやっぱりちょっと気分がいい。
煮詰まった夜には大津港かなぎさ公園でぼーっとしている。
水辺が好き、淡水の水辺が好き、たぶん琵琶湖が好き。
鴨川では小さすぎて、海では大きすぎる。

演劇が好き、と主張することには照れがある。
「この照れのないやつとはうまくやれない」って恋人がよく言うんだけど、
結局恋人共々、会社員をしながら辛うじて演劇を続けている。
ということは、たぶん演劇が好きなんだと思う。

たぶん人より少しだけ、詩や短歌のひとたちが好き。
文月悠光は本を出すずっと前から。
最果タヒはユリイカで読んでから。
中原中也に金子光晴にそのほかいろんなひと。
短歌は笹井宏之に中澤系に黒瀬珂瀾、あたり。
Twitter経由のライトな読者だけどそろそろ歌集買わなきゃって重い腰を上げようとしてる。
笹井さんだけ持ってる。
六、七年前から一時は自分でも書いてたし学生短歌会を見学に行ったり色々してたんだけど、数年お休みしてる。
ほんとのとこ、あんまりにもおしゃべりだから、短詩型文学に向かない。

最近どんな音楽を聴いてる、どんな本を読んでる、ってはっきり人に言えたこと、あんまりない。

それでも挙げるなら、
ずっと聴いてるのは宇多田ヒカルだろうし、
ずっと読んでるのは宮下奈都かなあ。
全部を聴いてる/読んでるわけじゃないけれど、じんわりそばにいてくれる、という感じ。

音楽なら、
ベースにあるのはジャズとボサノバとR&Bで、
中学生のときはアジカン・バックホーン・RADあたりをよく聴いて、「ソルファ」や「ヘッドフォンチルドレン」が古傷。
高校生のときにはスーパーカーやナンバーガールにちょっと遡ったりして、
エレクトロニカに触れたりして、Autechreはしょっちゅう聴いてた、
気障だなあと思いながらWorld’s end girlfriendもずっと聴いてて、
そこからの流れでMatryoshkaとかKashiwa Daisukeとか聴くけどそんなに詳しくなくて。
大学のときは音楽を聴いていた記憶が薄いけど普通に聴いてはいたんだろうな、
キリンジとかクラムボンとかフィッシュマンズとか、あーはいはい、って感じのところ、な気がする。
Vampilliaとか、も聴いてた。
最近はもう、サチモスとかその辺一帯だいたい好きで、ceroとかばっか聴いてて、
snail’s houseやらin the blue shirtやらの方面も好きで、night tempoとかも好きで、ラブスプレッドとか、King Gnuとか、
とりあえずyoutubeやapple musicでサジェストされる音楽は聴いてみるようにしてる。
あと「ソルファ(2016)」がやっぱり古傷。

小説だと、最近ハヤカワ文庫に手を出して、長谷敏司「My Humanity」と「あなたのための物語」が。
あと今更ながらに黒田夏子「abさんご」、すさまじく良かった。
川上弘美や山田詠美や長野まゆみや小川洋子も好き。
青空文庫や大学で買った電子辞書に入ってた名作短編の類を読みあさった時期もあるけど、どうだっけな。
岡本かの子「金魚繚乱」とか好きだった。

中高生のときは何読んでたんだろう。さっき挙げたような作家たちか。
中三のときにつけていた読書録を読み返したくなる。
いつも小説五冊とレシピ本なんかのビジュアルの本三冊、くらいの割合で借りてたっけな。図書館で。

高校のとき、瀬尾まいこはほっとするから好きだった。
図書委員長だったのに、何を読んだのかって、全然覚えてない。
小野十三郎の「詩論+続詩論+想像力」は先生推薦だったから読んだっけ。
想定が現代風でかっこよくて、美しい文字が並んでいて、
好きなものを好きなものでけなされているのは分かったんだけど、
それ以上のことがさっぱり分からなかったから、そろそろ読み返したい。
「歌と逆に。歌に。」だっけ、それだけ覚えてるよ。

なんかそんなに予想を裏切らないでしょ。チョイスが。だから恥ずかしくて書かないんだ。

もっと恥じらいながら言うと、漫画、ももちろん好き。
人生を左右したのはたぶん結局「鋼の錬金術師」だよなあ。
世代的にどうしてもうさぎちゃんとさくらちゃんとどれみちゃんは愛さずにいられない。
そのほか少女漫画だと「ポーの一族」はベタに大好き。
「少女革命ウテナ」はアニメ知らなくてコミック版だけなんだけどとても好き。
大和和紀、「あさきゆめみし」も「はいからさんが通る」も読んでないんだけど「虹のナターシャ」は大好きで手放したのを後悔してる。あと案外「ハイヒールCOP」が好きよ。
最近のだと「シュガーズ」とか好きだった、同じ作者の「ひるなかの流星」もよかったよ。
少年漫画なら最近は「僕のヒーローアカデミア」が良い。普段ジャンプは読まないんだけどこれは好き。

BL、ええ、BLもそこそこ読みます。
腰乃、松本ミーコハウス、ヨネダコウ、おげれつたなか(すごい名前だよね)は作家買い。
中村明日美子もいい加減集め始めたい。「卒業生」が愛おしい。
ポルノグラフィとしても恋愛ものとしても、自分の肉体や思想から一旦切り離せると物語に没頭できていい。

そんなこんなで部屋に紙の書物が何冊あるのかこわくて数えられない。
喋りが下手で、思考のインターフェースは完全に文字。
文字ベースで考えた方が本当はいろんなことがまとまる。でもどっちにしろ短時間でまとめるのはうまくない。

猫が好き。
可愛いものきれいなものが大体好き。
図鑑をたくさん母が買い与えてくれたので、好きな本の5%くらい図鑑かも。
もう少し家にお金があったら鉱物オタクになっていたかもしれない。
なんせ結晶が好き。すきとおるものがすき。氷が好き、水が好き。
ずっと水と蜜ばかり書いてたからペンネームを水野にした。

そんなこんな、そんなこんな。
どういう人間かって全貌を想像しようとするなら、また、上から想像される図からはズレてくるんだろうけど。
とりとめなく書くと、こういう人間。
ほんとにこういう人間なのかな、ちょっと不安でふわふわしてるけど。

万一、もしも、こんな読みづらいの最後まで読んで、
私に興味を持ってしまうような物好きな人がいたらあれだから、
予約フォームはもう一回置いておくね。

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