※募集は終了いたしました。
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くちびるに硫酸「傘の尖り」
作・演出 水野はつね
【あらすじ】
「あなたに差し込まれる先端が、注がれる毒が、その瞬間、私をほんとうの意味で生かすのかもしれない。あなたに私を奪われたとき、世界のすべてが私のものになる気がする。」
「鈴にしたたるしずく、横顔の曲線、撃ち落とされるように、そのやわらかな器官に毒を塗るように、僕は君に口づける。君に堕ちるよ。だから、堕ちてきてよ。僕に。」
少女は部屋にくらげを匿った。
むせかえるほど甘い毒の匂い。
加速度的に恋に落ちていくふたつの体。
自由落下と同じ速度で恋に落ちていく。
くらげたちが突然の環境変化によって急激に進化を遂げ、ヒト型・陸棲の姿を手に入れた世界。人類はくらげを忌み嫌い、くらげもその目を避けるように、人類よりも「少しだけ空に近いところ」にコロニーを作り暮らしている。
――少なくともこの世界の中で、「くらげ」とヒトは相容れないことになっている。
にもかかわらず、高校二年生のマナは手負いのくらげである「トガリ」と遭遇してしまう。
マナは、怪我を治すまでの約束で、自分の部屋にトガリを匿い、共同生活を始めることに。
次第にマナは、トガリの持つ毒の香りに魅了され、トガリのその器官が自分を貫くことを夢想し始める。
同時にトガリもまた、マナに欲望を抱く自分に気付いてゆくのだが……
【募集キャストについて】
■女性キャスト 2~3名
1.
物憂い女性。中年に差しかかろうかという年齢だが、やや幼い雰囲気がある。
ある宗教の信者。外見は地味な女性です。
2.
音楽教師。少々恰幅あってもよい。
夫とペットに先立たれた未亡人。多少のコメディパートを牽引するキャラクターになる予定です。
3.
短大か専門学校生。
ファッション・ネイル・ブライダルなど『女の子らしい』イメージの業界を目指していて、インスタが好き。
いまのところわりとコメディパートに登場予定ですが、真面目なことも言うと思います。
※お会いした結果として、これ以外のキャラクターにキャスティングする可能性もあります。
■男性キャスト 2名
1.
・主要キャスト。
・くらげ。ヒト型オス。二十代男性風。派手なタイプではない。
・どちらかといえば線が細く声の低い方がイメージに近いです。
2.
・謎多き男性。
・イケメンではないけれど服装がなんだかダンディ。ちょっと年嵩。
・どちらかといえばコメディパート寄りですが、語り役として重要な人物です。
■性別不問キャスト 2名
現在執筆中の脚本の中に登場させるかどうか迷っている人物(ペア)がいます。
いろんな方にお会いして、もし人数が揃うようであれば登場させたいと考えています。
二名一組で行動して、よく道化を演じるようなキャラクターです。
作品の清涼剤になってくれるととても嬉しいです。
名前のない役を兼ねる可能性があります。